SSブログ

無常ということ [汗牛充棟]

一昔前なら,
それをいうなら小林秀雄の『無常といふ事』でしょう,と言われた。

むむっ,これは...!!w(゜o゜*)w

灯台下暗し,とはまさにこのことである。
しかもネットで筆者直接本人に教えてもらう体(;´▽`A``

いつか平野くんの文章を授業で扱う日もそう遠くはないんだろうなぁ~。
そん時はきっと生徒より先に,筆者の写真にイタズラ書きするんだろうなぁ。
・・・なんていう下世話で,暢気な呟きにも関わらず,

ご本人が回答してくれた。


「実は、入試や模試にはちょくちょく出てるんです。エッセイが主ですが。もちろん、事後報告です。
あと、第一学習社の現国の教科書にも「無常ということ」が掲載されています。多分、授業中に、
顔写真に鼻毛とか落書きされているんでしょう。。。 」


すでに見破られており(滝汗)。
ということで,今朝ほど一本早く通勤電車に。
・・・乗ったら,次の駅で隣にバーコード社長が乗り合わせるΣ( ̄Д ̄)ギョッ

冬期講習前に国語資料室で教科書の見本を渉猟す。
なかなか見つからない。
第一学習社さんはもうちょっと上のレベルの学校が使うんだよなぁ・・・
東書さんとか大〇館さんとか使っているようなとこだしな(言い訳)。

おっ,あったあった。
国語総合ということは高校1年生が習うのね。

おおっ,あるあるー。顔写真 ̄m ̄ 
うーん,これも本人がコレにして♪ってリクエストしたものじゃないんだよね。
20代半ばの写真じゃないの。若作りしてる?(笑)

内容は・・・ふむふむ。
学生時代に平野氏が過ごした京都の景観について書かれた随想。
さすがに小説はね・・・(^▽^;)

「無常ということ」
どこかで読んだことがあると思ったら,やっぱり。

文明の憂鬱 (新潮文庫)

文明の憂鬱 (新潮文庫)

  • 作者: 平野 啓一郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 文庫


随分前に読了したものだが,このエッセイ集は良質な文章がたくさんある。たしかに,今の教科書に掲載するんだったらここからですな。納得,納得。20代の時に著したものとは思えないくらい,やっぱり平野君は文章が巧い。こんなふうに言葉を紡ぐことができたらなぁと年若い作家に憧れの念を持ちながら読んだことを,教科書に載っている彼の文章を再び読み返しながら,ふと思い出していた。

自分なら,この随想をどんなふうに授業するかなぁ・・・。
そんな楽しみがもう目の前の現実としてあるしあわせ。

最終段落は特に秀逸。

「大学時代に数年間をここで過ごすこととなったときには、学生の町としての顔で大らかに受け入れ、文句一つ言わずに好きなことをさせてくれた。そして今、それらの別々の顔とのつき合いがひととおり終えた後になって、私は初めてその奥に秘せられた本当の顔ともいうべきものを少しずつうかがい知るようになった。それは思いのほか、かなしい顔だった。なるほど、よそ者に見せてよい顔ではなかった。けれども私は、それを美しいと感じた。そして、それを隠そうとすることを、やはり奥ゆかしいと思った。

読み手の立場によってさまざまな意見が出てくるであろう,よき命題をもった文章でもある。
京都を背景にした小説や文章は多く,この土地への想いの深さが伺えもする。

さて,大学入試では津田塾や東京経済,愛媛など12校が昨年平野啓一郎の文章を出題している。
模試では私はまだお目にかかっていないのだが,おそらく来年の実践問題集でお会いできるので
しょう。そして,私は1人ぐふふっとほくそえみながら,解説しているのかもしれない。

私が学生時代は小林秀雄氏の評論が教科書にも模試にもたくさん出ていた。しかし,平成とともにその姿は本当に少なくなった。教員になってからおそらく,1,2度しかやってないと想う。学生時代はただただ難しくて苦痛の種だったが(苦笑),教員の立場から云えば,高校生には是非一度は読んで欲しいと今でも思う。世代交代なんて文学の世界にはあってほしくないのだが,小林秀雄氏に代わって平野君の文章が時代とともに人口に膾炙してゆくのだろうか。それはそれでフアンとしても嬉しいことだ。

平野氏は現在,読売新聞の連載小説『かたちだけの愛』の執筆の傍ら,彼が愛聴するショパンに関するCD製作のプロジェクトをはじめ,執筆活動だけではなく幅広い方面でご活躍の由。地元の高校の卒業生にはとても誇らしいことですね。


nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 1

King

これは非常に面白いです、あなたは非常に熟練したブロガーです。
私はあなたのRSSフィードに参加し、あなたの余分なものを探し求めて座っています
優れたポスト。また、あなたのウェブを共有しました
私のソーシャルネットワークのサイト
by King (2018-03-03 11:17) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

カウント,Don't be upset! ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。