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先生 [業務日誌]

ただ「先」に「生」まれただけじゃん。

それでも仕事への誇りを忘れちゃいないかと思う時がある。

3年生の最後の試験。
小説「エイジ」の中のキーワードの1つ“チューブ”の比喩。
【自分と他者を結びつけるもの=つながり】を意味するのだが,設問に

自分と母校(高校)のチューブは
①キレやすい
②キレにくい
③どちらともいえない
のいずれかを選び,その理由を述べなさいという旨のものを出した。

予想通りとはいえ,やはり弊社と選手は結びつきが一見強そうで実はそーでもないということが
ありありと数字で現れてしまった。②を選ぶ子たちは分かりやすいが,弊社の盲点はおそらく①や③の子たちで,この子たちがもっと個性を臆面なく出すことができればいいのになぁと思いながら採点していた。なかには辛辣に「早くつながりを切りたい」「早く忘れたい」「何も思い入れはない」というものもあれば,「ここの先生たちは生徒一人ひとりに関心がなさすぎ」という的確な耳の痛い指摘もあった。

そんな場面は,高3のこの時期に私自身が強く感じることでもあった。
ファイターズの女子リーダー・Rちゃん。
ポテンシャルの高い子だ。学年でもトップクラスの安定した成績だ。
ちょっと勝気な文系女子。真面目で,フレキシブルだ。
しかし,彼女はこの受験で2度,失敗をしている。

最初は推薦やAOの校内選考の時期である。
彼女はこの時期最後まで落ち着きがなかった。なぜかというと,自分が目指す大学や学部のことをちゃんと知らずに前に進んでいたのである。知っているのは大学名と学部名くらいで,受験科目や受験システム,推薦の内容などほとんど知らずに,「なんとなくそーだった気がしたから」というのだ。結果的に彼女が志す学部の指定校も公募も推薦枠はなかったのに,彼女は目隠ししていたかのように推薦の準備をしようとしていたのである。彼女は弊社でも上位の学力を持ち,周りの信頼の厚い子だ。そのRちゃんがこんな基本的な失態をおかすのだ。私には不思議でならなかった。そのため,彼女はファイターズ入りしても,この時期はどこか心あらずで本格的に指導するのが夏休みに入ってからだった。これが1つ目のミス。

2つ目は本格的に始める前に私は何度か彼女に受験科目について確認した「古典」の有無である。弊社の最大な弱点である「古典」の有る無しは,勉強の質や量,バランスなどに大きく影響を及ぼす。彼女はずっと夏休みも「現代文だけでいい」といい続けていた。彼女が目指していたのは文系の学部だったので,本当にそうなのか半信半疑だったが,あんまりしつこくてもなぁという思いと,この子が言うのだから,というのと一度痛い目にあっているし,というのと,担任じゃあるまいし・・・という思いが正直あった。そして,この時のことを私は今でもとても後悔している。

10月も終わろうとしている時。
ファイターズ古典組は【敬語】で苦しんでいた時だ。Rちゃんが「話がある」と。

実は古文が受験科目にあることが分かったから,次から古文の補講にも入れてほしい,と申し出てきたのだ。私は唖然としてしまった。当然,彼女はこの時期まで古文は全くといっていいほどやっていない。授業でも古典をとっているわけではない。そして,何より弊社の古典はひどい。とても大学進学を目指した指導はしていない。自分の受験科目すら把握せずに受験勉強をしている。これが2つ目の失敗。

これがなかったら,彼女は日東駒専よりさらに上のレベルを狙うことができたと思う。

とりわけ,今年の高3の学年はファイターズの話を聞けば聞くほどひどいと思った。1,2年次は2人の教員が現代文と古典を担当していたが,一人は漢文を教えたが,もう一人は全くやらなかったという。双子のS姉妹でも一人は中学で漢文の訓読をして以来,もう一人は一年次にちょっとやっただけという。漢文だけではない。古文も主要な作品をほとんどやっていないので,補講をしていても肝心なところで話がストップしてしまうのだ。

源氏も枕草子も,史記も老荘思想も彼らは授業でやっていない。おそらく担当者に云っても,「やってもどうせ分からないよ」とか「教員の趣味でいいんだよ」と言い逃れをするのは見えている。そんな学年であり,そもそもそんな学校なのだ。確かに学力の非常に厳しい生徒の方が多い。受験を意識してばかりいられないのが現状だ。しかし,だからといって件のセリフをどうして許容できるのだろうか。

Rちゃんの件も,この子のレベルでどうしてこんな安易な大学選択しかできなかったのか。これは彼女や彼女の保護者の責任なのかと思ってしまう。担任は何をしていたのだろうか。聞き取りをしていると,たった一度の,夏休み明けの模試のデータだけで担任は「ここはダメ」とか「ここくらいだ」という進路指導をしていたという。訊いていてビックリするばかりである。

この半年近く,ファイターズと関わってきて受験を知るようになるにつれて,生徒たちの学校や教員に対する不満もまた明確になってきたのも確かである。また子どもたちの不満は保護者の不満にも膨らんでいた。指導者として真摯に受け止め,猛省すべきだとも思う。

 

今の自治体に来て強く感じるのは,「努力しない割にやたらと威張っている教員」のイメージがある。生徒の前では物分りのよさそうなふりをして,裏では生徒や保護者を軽視したものの言い方をしたり,自分の手に負えなくなったら安易に「こころの病」扱いにしてしまう傾向がある。自省や謙虚さを言葉より態度で感じる教員が本当に少ない現場だと感じて,私はきっと不安で仕方がない時間を過ごしてきたのかもしれず,私自身の病も助長していただろうかとも思う。また,私自身,どこかで今の現状に流されまいといいつつ,流されているのかもしれない。

どんどん自分がダメな教員になっていくような気がしてならない。
「先」に「生」れただけ,なんだけどね。うん。。。。


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