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『彼岸過迄』 [汗牛充棟]

本当は業務日誌、だよね(^▽^;)

彼岸過迄 (新潮文庫)

彼岸過迄 (新潮文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1952/01
  • メディア: 文庫


長いので、オススメしません(笑)....おぃっ!

2008年度センター試験の小説は、珍しく著名・・・著名すぎる天下の文豪の作品
を出してきやがった・・・失礼、きはりましたわね~(笑)

明治の文豪、夏目漱石の後期三部作の1つ目(このあと、「こころ」「行人」が続く)。
自意識の強い男と、天真なその従妹との恋愛を描いたものだが
梶井の『檸檬』後だったせいか、おソ松担当組の生徒にはこの上もなく、

ま、またそのパターンかよ・・・[あせあせ(飛び散る汗)]
グダグタじゃん・・・[たらーっ(汗)]

という夏バテにも似た疲労感が残る作品である(全くの私見)。

彼岸過迄
08年度センターで出典された部分はまだ恋愛とは程遠い、俯瞰すれば
概ね主人公「僕」の妄想部分に過ぎない。
翌年である09年度もまた、主人公の視点を軸に描かれたものだから、
おそらく出題者チームは変わっていないと思われ。
裏話をすると、センター国語に限って云えば、出題プロジェクトチームは9名
で構成されており、うち4名は国公立大学から、5名は私立大学から送り出さ
れて、今の時期だと、すでに出典くらいは決まっているらしい。
2006年度の新課程以降、センター国語は大きく様相が変わった。
「ゆとり」を配慮してるようで、してない(笑)。してないようで、してる(爆)。

ま、受験生には分かるまい(* ̄m ̄)プッ
つまりだね、センターがどう動こうが対応できるよう勉強せぇ~!!ということです、ハイ。

もとい。
ちょいと引き出しを出すと、「誰の視点」で描かれているかがわからないと、
雪崩式に誤解答しちまいますよってことかな。
あとは昭和初期~明治までの文章に読み慣れましょうね。
漱石はさすがにもう出ないと思いますが(笑)、漱石といえば、

『夢十夜』という短編集がオススメです。

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1976/07
  • メディア: 文庫



本題というか、センター08年度の『彼岸過迄』を夏季講習でやったんですけどね、
長文のわりに、単純なんですよ。登場人物沢山出てくるけど、「僕」を追いかけてりゃ
いいんですよ。

小説の3要素+αの「α」が実は大事だったりする。
それがよく分かる良問ちゃー良問ですね。

しっかし・・・心情表現追いかけてるとさ、精神的にブルー入ります(爆)
明治の恋愛小説はだから、ヤなのよ。
でも、明治なのに、平成でもありえそうだから、怖いのよ( ̄m ̄〃)!

疑う・疑い
羨ましい
不愉快
憎みだす
沈黙
僻み根性
凝結した形にならない嫉妬
痛切な恋に落ちた経験がない
普通以上に精密な注意を払う男(自己評価)
晴れやかな心持(←キレイなおねーちゃんを街中で見た場合)
急にぞっとする人の浅ましさ
酒に捨てられた淋しみの障害
非常に不愉快
普通の人間でありたいという希望
名状し難い不快
嫉妬心
苦悶
眉を暗くする
気の毒・恨めしい(←母に対して)
不愉快
苦痛
喜ぶ+焦燥
心苦しさ

見開き2枚分の中にこれだけ一人の人間のネガティヴな心情表現が
描かれると(本当はもっとあるw)、読んでる方がウンザリしてしまう。
・・・そんな人は心身ともに健康な証拠ですな。
私もやってて、最後しんどかったもーん(爆)

だってさー、こんなに悩んで苦しんでるのに、まだ彼女のこと好きかどうかも
自分でわかんな~~~いって時ですよ、これ(^▽^;)
いやはや、恋とはそういうものです、とはとてもじゃないが私は云えなかったw
この生業じゃなかったら、読まないね。たとえ、国文科出身でも。

漱石はやっぱり「悩める(な・病める)文豪」であったことは確かだ。
病むのも分からなくもない。
エリートとして国の威信を賭けて、国税でイギリス留学したのに、
言葉は通じても、心を通わせることができずに、ホームシックどころか
本当に心身のバランスを壊して、志半ばもいないうちに戻って来させられたんだもの。
現代の留学とはワケが違う。
なんでも「初めて」とは「犠牲」を伴うものだ。

まさかイギリスが、ヨーロッパが、外国がこんなに進んでいたなんて
浦島太郎にもほどがある。一体今までの自分は何だったのだ。
自分で自分の矮小さを思い知らされたのだろう。
でも、あくまで自己評価で「矮小」なのであって、おそらく、いやきっと
彼は今の我々から見ても、スゲー人(偉人)であることに違いない。

お受験の皆様。
やっぱり漱石はセンターには出ないと思うけど、読んどこ(笑)。
つーか、漱石のことは最低限知っておくといいかもだよ。
英語もさることながら、漢文や漢語に精通していたとか、
分析的な文章であることとか。
彼の特性を知ってこれから損することはないかな、と。

あっ、ついでに。
06年度(新課程)以降のセンター小説では最終問題に文章「表現」について問う
問題がございますね。これは、学習指導要領における「国語表現」を意識したもの
と思うのですが、

ぶっちゃけ「主題」とか「心情」を訊いてますので、ご安心を。

こんなアホでよかったら、ご質問受け付けています。
受験生には優しい、地球に厳しい、松っつぁんでした\(o ̄∇ ̄o)


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