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受験生らしくなってきた [おソ松☆Babies]

⑥Suicaがキレた。

 

期末テスト最終日から特別講習は再開した。
現在,15名の大所帯。

いよいよセンター試験1カ月前。
受験票が手渡された日の特講は模試形式だった。
古文2題。いずれも1900年代センター過去問題。
1990年代のセンターは文章量も今より少なく,文脈判断を迫られる,あるいはヒッカケ
が多いなど,一見簡単そうに見えて落とし穴が・・・という時代である。それでも,全国平
均が125~135点もあるので,ファイターズもそこそこやるだろうと思っていた。

模試形式の時はトップ賞を設けている。
いつも女子に持っていかれていた。
男子ってまだ焦りがないというか,無欲というか,マイペースなので,あまり悔しがらない。
でも,この日は絶不調が続いていたオギハギ君が夏以来のトップ賞(80/100点)だった。
オギハギ君がずっとダメダメだったのをみんな知っていたので温かい拍手が送られる・・・
はずだったのが。


⑥Suicaが自己採点後から表情が暗い。
ってか,コワイからっっ(>_<)

おそるおそる,どうしたのか訊ねてみるが,⑥Suicaは以前だんまりで顔が明らかに
怒りに満ち満ちていた。

「自分の点に腹立ててるの?」というと,ムスッとした様子で「・・・・はい」と。

あまりの怖さに,欣喜雀躍していた周りにまで緊張が。
①Suicaもちょっと離れたところから,どうしたの??みたいに見ている。

全員の点数を発表したあと,⑥Suicaが自分にマジギレしてしまった。
「もうっ 死んでしまえっ くそっっっ」と持っていた
消しゴムを叩き付けた。



一瞬,教室が凍りついた。




本当に,本当に,悔しかったのだ。

Suica姉妹は,鳴り物入りで入学した弊社のエースだが,受験生になってタダの高校生に
過ぎないことを,きっと誰よりも本人たちが一番分かったに違いない。それに,彼女たちには
2つ上の兄上がいて,トップ校に進学したものの,浪人して大学入りしている。その背中を2人
ともよく見ているだけに,である。

2人はいつも冷静で,誰よりも客観的で,知的好奇心が旺盛である。
ファイターズの良心,ものさしみたいな部分もあっただけに,⑥Suicaの豹変ぶりには私も驚いた。
しかし,いつこの子達が自分の出来なさに本気で苛立つだろうかと思っていたのでホッともしたし,
嬉しくもあった。

ようやく受験生,と呼べる意識になってきたのだと思う。
ちょっと遅い気もするが,ないよりは全然いい。
ひとしきり自分にキレた後,⑥Suicaはおもむろに
「先生,ちょっとだけ壊れていいですか?」と云うので,「思いのままに」と云うと,
チョークを一本持って,タタタッと教室の後ろへ行き,そこから黒板めがけて,

「コノ,〇▼◎※▽▲※〇~~!!!!」

とよく分からないことを云いながら,剛速球がごとくチョークを投げ飛ばした。
チョークは彼女の声と共に黒板に弾けた。

そして一言,「あ゛ーっ スッキリ」と云って,いつものにこやかな⑥Suicaに戻った。

ファイターズの他の子たち,特に①Suicaはどう思っただろう。
少なくとも⑥Suicaが本気になってきているのだけは伝わったはずだ。
このことが他の子たちにインスパイアされていくといいんだけどな。

翌朝⑥Suicaは1時間目から1人で図書館入りして勉強していた。

奇跡はきっと起こる。
その力をこの子たちもちゃんと持っている,と思った。
ちょっとハゲヤローにやんや云われたくらいで,私が凹んでいてはダメだ。
そんなことを⑥Suicaに教えてもらった。

奇跡を起こそう。
今の自分を信じよう。
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